「内校」って何て読む? どんな意味?
印刷やデザインの打ち合わせの中で、「内校へ回す」という言葉を聞いたことはありませんか?
内校とは「内部校正」の略称です。
「うちこう」とも、「ないこう」とも呼ばれます。
ちなみに私たちの会社では、「ないこう」と呼ぶ人が多いです。
お客様に校正紙をお出しする前に、印刷会社の中で行うチェック作業のことを指します。
なぜ「内校」が必要なのか?
「お客様に校正出しをする前に、社内で時間をかけてでも、内校を行うのは何故?」と思われるかもしれません。
実際、印刷会社で校正専門の部署を設けているところは、それほど多くありません。
ほとんどの印刷会社は、制作者(オペレーター)や営業チェックの範囲で確認をしています。
しかし、内校には制作物の品質管理という面で非常に重要な役割があります。
誤字脱字、数字の打ち間違い、写真の取り違えなど、当社の組版作業時やお客様の原稿作成時にも起こりやすいヒューマンエラーを事前に発見して潰します。
お客様からの修正指示が正しく反映されているか、レイアウトが崩れていないかを突き合わせます。
制作担当者とは別の「第三者の目」で見ることで、文章の矛盾やデザインの違和感に気づくことができます。
印刷物の刷り位置、ルビの振り方、字体、文章の行間などのアキ指定などを確認し、データを実際に印刷したときに、体裁が整った状態で仕上がるようにします。
私たちの会社では、校正専門のスタッフが確認することで、お客様が伝えたい情報を、正確にわかりやすく伝えられるサポートをしています。
「校正」と「校閲」はどう違う?
そもそも、内校という言葉はあまりなじみがないかもしれません。
ですが、「校正」や「校閲」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?
「校正」は、原稿とゲラ(原稿を元に組み上げたデータを紙に印刷したもの)を見比べ、原稿通りに制作されているかを確認し、誤植や不備な点を正すことです。
「校」には「比べる・考える」という意味があり、「正」には「正しい・正す」という意味があります。
つまり校正とは、「くらべて、ただす」ことと定義できますね。
「校閲」は、原稿の内容まで踏み込み事実関係を調べ、誤りや不備など正すことです。
事実関係とは、以下のようなものを調べます。
など、幅広くチェックし、訂正を行います。
「閲」には、「調べる・閲(けみ)する」という意味があります。
つまり校閲とは、「くらべて、けみする」ことと定義できますね。
私たちの会社で内校を行うとは、主に「校正」を行うことを指します。
お客様のご要望により「校閲」も承っております。
【実践編】原稿が「校了」になるまで
ここからは、制作の実践編です!
例として「ご案内状」を制作する中で、実際の内校でどのようなチェック(赤入れ)が行われ、修正されていくのでしょうか?
そのプロセスを公開します!
【内校前の原稿】
まずは、案内状を作りたいお客様から、本文の原稿や依頼内容をいただきます。
原稿は、テキストデータのほか、手書きなど、どのような形式でも承ります。
【オペレーターによる組版作業】
いただいた原稿を元に、案内状を作っていきます。
今回は、洋2封筒という種類の封筒に入るよう、紙を二つ折りにする案内状を作ります。
【内校(赤入れ作業)】
専門の校正スタッフが、以下のような「赤入れ」を行います。
赤ペンで、修正する個所を示しているので「赤入れ」と呼びます。
修正するかどうか問い合わせたい部分などは、鉛筆などで書かれています。
ここで、社内の判断で修正した部分や、お伺いしたい部分など、
お客様へお知らせしたいことを付箋で示します。
■赤入れされたゲラ
■内校からのお知らせ
STEP 3:修正・校了(完成した原稿)
赤入れを反映をした状態がこちらです。
ここまでの作業を経たのちに「初校」が出来上がります。
この作業を繰り返して、校了まで作業を行います。
■初校
■お客様が初校をご確認後、修正指示を入れた原稿
■修正指示を反映させた二校(今回はここで校了となりました。)
■完成!
校正者からのコメント
印刷会社にとって、品質管理は命です。
内校を徹底することで、「お客様に間違い探しをさせない」状態を作り、確認作業の負担を最小限に抑えます。
弊社の内校では、熟練の目による目視確認に加え、最新の「デジタル検版システム(新旧のデータを重ねて差異を抽出するツール)」を併用し、ヒューマンエラーを限りなくゼロに近づけています。

人がする作業には必ずヒューマンエラーがつきまといます。
私たちが校正作業をするときは、思い込みや先入観を排除して、どこかに間違いが潜んでいるという意識を持ちながら取り組んでいます。
校正作業中に違和感を覚えた場合は、必ず立ち止まり、辞書やインターネットなどを活用して違和感の解決に努めます。
もちろん、自分が書いた赤字や疑問であっても例外ではなく、自分自身を疑って、誤りがないかを最後に必ず見直します。
校正者として、誤りを極限まで減らす努力をし続けることが、私たち品質管理部門としての責務だと思っています。
1枚のチラシから1冊の本まで。
「内校」という見えない工程にこそ、私たちは責任を持って取り組んでいます。
まとめ:内校は「信頼」の積み重ね
お客様の手元に届く校正紙が「きれいな状態」であること。
それは、私たち印刷会社とお客様との信頼関係を築く第一歩だと考えています。
私たちが「内校」を徹底するのは、お客様のご負担を少しでも軽くしたいという想いからです。
お客様から安心してお任せいただけるように日々精進してまいります。
(ちなみにこの本文も、内校で確認してもらいましたよ!)